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翻訳コラム06翻訳会社のタイプ


前回のコラムで「翻訳会社も様々」と書いたので、今回は具体的にどのようなタイプの翻訳会社が存在するか見てみたいと思います。必ずしもこれらの分類に当てはまらない翻訳会社もありますので一概には言えませんが参考までに。なお、翻訳を主たる業務としていない翻訳業者(翻訳サービスの提供を謳っている印刷会社・広告代理店など)はむしろ翻訳専業会社のクライアントという分類になると考えますので、ここには含めておりません。

■外資系超大手翻訳会社

もともと翻訳文化が活発な欧州・米国発のグローバル翻訳会社です。メジャーなソフトウェア企業などグローバル展開(多国語展開)している顧客を相手にすることが多く、小口はまず相手にされません。また、日本語はあくまで対応言語の一部です。親和性の高い欧州言語間では機械翻訳の実用化が進んでいるため、多言語展開プロジェクトにおいては日本語に対しても機械翻訳+ポストエディットの手法が活用される傾向にあります。日本の最大手ですら比べものにならないほどの規模を誇りますが、日系大手翻訳業者を下請けとして活用することが多いため共存共栄関係にあると言えます。

■日系大手翻訳会社

日本語を軸とした翻訳サービスを提供する日系の大手翻訳会社です。通常、営業部門と品質管理部門で構成されており、社内で翻訳をしている割合は非常に低く、翻訳業務は基本的にフリーランス翻訳者への外注になります。営業力主体で仕事を取ってきてフリーランス翻訳者に仕事を回し、上がってきた訳文を品質管理部門が仕上げるというフローが一般的と言えます。多数の登録翻訳者を抱えて多言語展開し、翻訳学校・調査業務・ドキュメント制作・通訳サービス・印刷など付随サービスを提供している場合が多いです。小口対応は様々ですが、ミニマムチャージが3万円~に設定されているなどハードルはやや高めです。なお、日本の翻訳会社には他業種に見られるようないわゆる「大企業」は存在せず、社員数百名、年間売上にして数十億円という規模の翻訳会社が日系最大手ということになります(なかには上場している企業もありますが非常に少数です)。

■専門分野・言語特化系翻訳会社

医療、特許、論文、技術、マニュアル、証明書関係などの特定分野に特化している翻訳業者で、規模としては比較的小さな翻訳会社です。社長自身が翻訳や特定の分野で叩き上げのプロであるという会社が多く、対応言語については、英語のみ、あるいは英語をメインに中国語、仏語、独語など少数の言語に対応しているケースがほとんど。対応分野であれば質も高く、小口も受け入れてもらいやすいです。

■1人社長(個人翻訳業者)

フリーランス翻訳者が法人成りして翻訳会社になっているケースです。数としては最も多いと思われます。品質はそれこそ千差万別ですが、ほぼ必ずその翻訳者が対応することになるので安定はします(納期に追われている場合などは別かもしれませんが・・・)。また、定期的に発注すれば割と容易にVIP客になれるので大切にされます。つまりお客様視点で見れば、「無理を言っても通る」可能性が高いです。しかしながら、いかんせんマンパワーが少ないため対応力に限界がある場合も。一長一短と言えるでしょう。探し出すのが大変かも知れませんが、相性の良い翻訳業者に当たれば最もコスパがいいはず。通常、対応言語は日本語+1です。

■番外編

上記以外にも、この5年程度で勃興してきた新たなタイプの翻訳会社があります。それはクラウド翻訳業者です。ユーザーがフォームに原文テキストを入力してオンラインで決済を済ませると登録翻訳者全員(数千人)に案件通知メールが送信され、「早い者順」で担当翻訳者が決定し、所定の期間内にオンライン納品されるという仕組みが一般的です。

「早い」、「安い」、「お手軽」と三拍子そろっていますが、いかんせんどんな翻訳者に当たるか分からないうえ、品質管理工程がそもそも存在しないため、よほど重要度の低いものであれば試しに使ってみるぐらいの活用方法しかおすすめできないと思います。重要度の高いドキュメントの翻訳に活用される際は注意が必要です。ただし、伝統的な翻訳会社がすくいきれていなかった個人レベルの翻訳ニーズにも安価で対応できるため、一定の存在意義はあるでしょう。

それ以上に注意が必要なのが翻訳ブローカーです。社内にはほとんど全くと言っていいほど翻訳ノウハウを持たず外部に丸投げするという業者です。品質管理もへったくれもあったものではないので、品質事故の発生率が非常に高く危険です。しかも事故発生を前提に料金を設定しているので金額も割高であり、見た目は優良企業に見えるという特徴があります。

ちなみに弊社は基本的には専門言語特化系(英語)ということになります。登録翻訳者数は3桁もいきませんが、代表はじめ翻訳業界たたき上げの少数精鋭で多くの分野に柔軟に対応しております。大手翻訳会社よりも安価で、大手翻訳会社に負けない品質を提供します。

* 2015年から中国語・韓国語、2016年から欧州言語に対応しております。